大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPPと略称)は、1994年に公共政策分野における国立大学 (当時。現在の大阪大学は国立大学法人)最初の大学院として設立されてから本年(2009年)で15周年を迎え、その記念事業の一環として国際連合政策研究センター(Center for United Nations Policy Studies: CUNPS)を新設しました。
当研究科ではこれまでも国際社会が直面する公共の諸問題の解決に向けた政策的なアプローチ――すなわち国際公共政策――の立案、決定、実施における国連・国際機関の役割に大きな関心を寄せ、これらを重点的に取り上げてきましたが、当センターの新設により、国連政策の諸側面に関するよりいっそう高度で専門的な研究・教育を行うとともに、キャリア・ディベロップメント、社会連携などの事業を深めてまいる所存です。
国連政策の研究に特化した日本で初の学術機関となる当センターの諸事業について皆様のご指導並びにご支援を賜れますようお願い申し上げます。
国際公共政策の立案、決定、実施に関わる国連の役割はとてもダイナミックで、多岐にわたります。また、一口に「国連」を研究すると言っても、誰が、国連との関わりにおいて、どのような具体的な問題に取り組む活動を研究しようとしているのか、しっかりと把握しておくことが重要です。そこで、国連政策研究センター(CUNPS)では、国連を単に制度論的に議論するのではなく、
(1)多様な主体(各加盟国政府、国連スタッフ、市民社会/NGOなどの政策エキスパート)が、国連や国際機関を用い、具体的な国際公益に関わる諸問題の解決に向けて繰り広げる政策プロセスに関する高度で専門的な研究や教育、
(2)こうした国際的な政策プロセスに能動的に参画する政策エキスパートのキャリア・ディベロップメント、 そして、
(3)広く社会との連携による国際理解の促進や意識化の高まりに向けた知的貢献、
をめざします。
当センターは、OSIPP教員で構成される運営委員会での決定を受けて、センター単独あるいは他の関係機関との共同により、国連・国際機関政策に関わる研究・教育、キャリア・ディベロップメント、社会連携に向けた各種の事業を進めてまいります。当センターの事業への皆様の積極的なご参加をお待ちしています。